当院は心臓病、カテーテル検査・治療、人工透析の専門病院です。

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医師が教える! 病気と治療

もっと知りたい! 心臓の病気① 〜虚血性心疾患〜 2016年06月号


記事提供 宮澤医師
心臓は全身に血液を送る“ポンプ”の働きをしています。
ポンプの原動力となる心臓の筋肉に血液を送る動脈を冠動脈と呼びますが、その冠動脈が動脈硬化のため狭くなり、十分な血液を筋肉に送ることができなくなる病気、それが狭心症や心筋梗塞です。

           

狭心症と心筋梗塞

心筋梗塞とは冠動脈が狭くなることにより心臓の筋肉細胞が死んでしまう状態を呼びます。
通常急激な胸の痛みがおきます。心筋梗塞は基本的に命に関わる重大事態です。
狭心症とは、血管が狭くなっているけれど、ある程度の血液を送ることができる状態を呼びます。じっとしている時はある程度の血液が送れるので大丈夫ですが、運動したりするとその運動に見あうだけの血液を送れないため、心臓が十分に働くことができず、痛みや息苦しさといった症状が出ます。

検査と診断

症状が出ているときに心電図や血液検査、心臓エコー検査といった検査を行うことで診断します。しかし、自分自身の症状がない場合は心電図をとってもわからないことがあるため、運動や薬を用いて心臓に負担をかけ、その負担に対する反応をみる検査や、CTやMRIといった画像をとることで診断することができます。

治療

血液を固まらせにくくする薬や血管を拡張させておく薬を用います。
しかし、内服薬では実際に狭くなったり、つまったりした血管を広げることはできません。このため、カテーテルという細い管を用いて狭くなっている血管を広げる治療(冠動脈形成術)、狭くなった血管を越えて新たに動脈をつなぐ手術(バイパス手術)を行うことがあります。
これらの手術をすることで、血液の流れの障害を起こしている心臓の筋肉に血液を再び流れるようにすることはできますが、動脈硬化自体をもとに戻すことはできません。このため、手術後も内服の治療を続けていかないといけません。